弊社事例
2021.9.29
TikTokで実装されるEC機能とは?
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TikTokで新たにEC機能が加わるって聞いたんですけど、本当ですか?どんな機能なんでしょうか?
はい、本当です!
実際に海外の一部のエリアではテストリリースもされています。
TikTokの日本国内での月間アクティブユーザー数は950万人を越え、世界的に主流なSNSになりつつあります。
以前は10代の利用者が多い印象がありましたが、実際には20代から50代の割合も増えてきて、アパレルや美容系の企業などビジネスに活用している事例も出てきました。
そんなTikTokでは現在、EC機能を実装するための開発が進められています。
2020年10月、TikTokはShopifyとの連携によってECに活かせるようになると発表しました。
これによって世界175ヵ国で170万以上のショップが利用するShopifyでは、TikTok上で簡単に広告を配信することが可能になります。
さらにショッピング機能を強化するTikTokでは、今後アプリ内ストアも実装される予定です。
<2021年10月8日更新>
2021年9月29日 にTikTokがネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」と提携したことを発表しました。
BASEは誰でも簡単にオリジナルのネットショップを作成できるサービスで、現在160万を超えるショップが利用しています。
TikTokの流行拡大に伴い個人や小規模事業者がTikTokを活用するケースが増加しており、TikTokユーザー層も幅広い層へと拡大中。
TikTokとBASEが提携することによってBASE加盟店は、BASEの管理画面から直接TikTok広告を出稿することができるようになり、さらに今後はTikTokを活用したネットショップの集客と販促を行うことができるプラットフォーム連携を実施する予定になっているそうです。
どんな機能?いつから利用できる?
現在TikTokでEC連携を行う場合は広告からECサイト内の商品ページへの誘導になっていますが、将来的にはTikTokアプリ内で決済まで完了するEC機能が実装される予定です。Instagramの「Shop Now機能」に似た作りになると言われています。
英国と東南アジアの一部で試行中で、具体的なリリース日は発表されていませんが2021年中に実装される予定になっているです。
実装が予想される機能
①ビジネスアカウントの投稿によるショッピング機能
通常の投稿と同じで、ユーザーのフィードに表示される機能。ショップ専用ページがあるわけではなく、他のユーザー投稿と同じ扱いでレコメンドなどにも表示されます。
②ライブショッピング機能(ライブコマース)
リアルタイムで商品やサービスを紹介するライブショッピング機能(ライブコマース)。配信中に視聴者が質問をコメントしたり、それに答えたりすることで双方向にコミュニケーションがとれるので、臨場感のあるコンテンツです。
③アフィリエイト機能
企業アカウントとは異なるユーザーやインフルエンサーが、商品紹介動画を投稿してタグづけする機能。タグづけすることでユーザーはタップ数や購入者数に応じて報酬(手数料)を受け取るシステムです。
企業側からインフルエンサーにコラボの依頼をするのではなく、タグづけされた投稿に対して企業側が承認をします。
TikTokのEC機能を利用するメリット・デメリット
メリット
商品だけではなく、ショップ(ブランド)に関しても知ってもらうことができます。
また、TikTokの特性上レコメンドで表示される可能性があるので、検索をしているような顕在ニーズだけではなく、目的を持たずに閲覧しているような潜在ニーズに対してもアピールができるでしょう。
SNSを通してショッピング体験をするため、買うことを目的とした従来のECサイトに比べて、ユーザーは気軽に商品やブランドに接触することになります。
アカウントをフォローしてもらえれば、イベントやキャンペーンなどお知らせを届けることができ、継続的な関係が期待できるでしょう。
また、SNSで購入プロセスのすべてを行うので、購入に至ったユーザーの属性や特徴などの分析してデータを商品開発やTikTok以外のマーケティングに活かすことができます。
デメリット
ショップの認知を広めるためには、定期的な投稿でフォロワーを獲得していく必要があります。
そのため、アカウントを開設してから一定期間は投稿するための時間が増えるのに対して、売り上げにつながらないこともあるでしょう。
大手ECモールなどに出店する場合と比べると、売り上げにつながるまでに時間がかかります。
すでにEC機能が実装された中国版TikTok「ドゥディアン(抖店)」
TikTokの中国版アプリである「ドゥイン(抖音)」では、2018年からアプリ内ストア「ドゥディアン(抖店)」を展開。
「ドゥディアン(抖店)」 は大小問わずあらゆる規模の業者が利用できるようになっていて、販売業者は事前に前払金を支払い、さらに売上の5%を手数料として支払うようになっています。
ショッピング機能のテストリリース期間でもあった2018年11月11日の「独身の日」に行われた大型セールでは、売上8,000万元(約13億2,000万円)を達成するという驚くべき記録を残しました。
TikTokのEC機能は、自社のショップとはどう違うんですか?
TikTokのEC機能は、これまでの一般的なネットショッピングとは様々な点が異なります。
ユーザーにとってショッピング体験が快適になったり、新しい出会いがあったり。どんな変化があるのかご紹介します。
EC市場に対してどんな影響があるのか
今後さらに拡大していく「ソーシャルコマース」
「ソーシャルコマース」とはソーシャルメディア(SNS)とEコマース(EC)を掛け合わせた商品の販売促進の手法を指します。
ソーシャルコマースのオーソドックスな仕様としては、投稿内で紹介されている商品・サービスの購入ボタン(CTAボタン)が表示されていて、欲しいと思ったらそのままSNS内で決済までできるという状態です。
欲しいものがあるとき、SNSでの情報収集は主流となりつつあります。SNSは友人や知人、共通の価値観を持つ人や憧れているインフルエンサーからの情報となるため、従来の口コミよりも信頼度と影響力が大きいことが特徴です。
これまでのSNSでは情報収集した後や、知り合いのおすすめ商品が欲しくなった時には、検索エンジンやネットショップで検索をしてから購入するのが一般的な流れでした。
しかし、ソーシャルコマースでは、投稿から直接購入できるようになるため、「検索する」という手間が無くなり、よりスムーズな購入が可能になるのです。
従来SNSは集客やブランド認知などマーケティングのツールとして使用されてきましたが、今後は商品紹介から決算もできるプラットフォームへと活用の幅を広げています。
ソーシャルコマースは「カゴ落ち」が減る?
欧米での調査によると、ECサイトでユーザーが商品をカートに入れたまま最終的に購入しなかった商品(いわゆる「カゴ落ち」)の割合は、約70%にもなるそうです。
「カゴ落ち」の原因とされるひとつが、決済までのプロセスの複雑さにあります。
決済フローの簡略化とデザイン改善をすることによって、約70%のうち35%程度をリカバーできる可能性も。
ソーシャルコマースは決算までのプロセスがとてもシンプルのため、ソーシャルコマースの普及によってEC市場全体がさらに拡大する可能性を秘めています。
ついにAmazonにも影響を及ぼし始めたTikTok
Amazonは2021年4月、「Internet Famous: The Latest To Go Viral(インターネットの有名品:最新のバイラル、の意)」と名付けた商品コレクションを導入しました。
このコレクションの商品は、TikTokで数百万もの再生回数をあげた関連商品ばかり並んでいて、サイト上にTikTokの名は出していないもののAmazonがTikTokから情報収集したことは明らかです。この商品コレクションはTikTokが有力な商品発見チャネルになったという証明となりました。
そしてさらに、2021年1月~2月のAmazonにおける検索回数最上位のひとつは「TikTok レギンス」でした。これはTikTokでのトレンドがAmazonの売上へ大きな影響を与えたという事実です。
TikTokでバズると自然と何度も目にするようになり、そのうちにAmazonで同じ商品を見つけると興味をもつキッカケになります。
「ほしかったものを探す」のではなく、「ほしいものに出会う」というショッピング体験
これまでのネットショップ(Eコマース)は、「認知」「興味」「比較・検討」「購入」というプロセスだったのに対し、ソーシャルコマースでは『関係性』が大きく影響しています。
従来のようなプロセスではなく、SNSで関係性のあるユーザーからの情報が与えた「興味」からダイレクトに「購入」に至る「興味突破」の購買行動へシフト。
ユーザーが顕在ニーズをもっていない状態でも、SNSの投稿を受動的に目にする中でほしい商品を発見します。
無目的で何気なく動画を見ているときのほうが、目的がある場合よりも商品やサービスに興味を持ちやすいと言われていて、TikTokは相性の良いコンテンツといえるでしょう。
また、ユーザーは従来の購入プロセスにおいて「情報が操作されているような不信感」を感じていることもあります。
商品も情報も溢れかえっている状態で、正しい情報を選びとるストレスははかり知れません。
そういった中で信頼できる人の情報に頼ること、そして未知との出会いに期待すること。それが今後の購買プロセスのポイントになってくるのではないでしょうか。
多くのユーザーにとってSNSは、趣味やコミュニティーなどを楽しむためのものです。そんな場所に商品やサービスを押し売りするのではなく、コミュニケーションをとり関係性を築きながらショップ(ブランド)の世界観やストーリーを知ってもらうことで、ユーザーと良好なつながりをもつことができるようになるのです。
アカウントを運用する場合も、EC機能の活用を考える場合も、ユーザーに楽しんでもらうことを重視した運用を心がける必要があります。
studio15はこれまで多くの企業様に提案・サポートをした実績があります。
EC機能の実装に向けて今から準備しておきたいという方は、ぜひstudio15までご相談ください。