コラム
2025.5.27
TikTok Shop、ついに日本上陸。これは“購買体験”の革命だ!

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こんにちは!studio15でマーケティングを担当していますMです。
2025年6月。いよいよ日本で「TikTok Shop」が正式リリースされますね。
XのSNSマーケ界隈では「これは新しい未来だ」という人もいれば、「インスタのSHOPも微妙だったし期待できなくない?」という意見も。
なお、知らない方のために、TikTok Shopとは、TikTokの動画を見ながら、そのまま商品を購入できる機能です。
これだけを聞くと、「アプリ内購入ができるようになっただけ?」と思うかもしれません。
でも、TikTok Shopの本質は単なるEC機能の追加ではありません。
これは、「商品との出会い方」そのものを根底から変える、消費体験の再発明です。
TikTok Shopが真に革新的なのは、
“買いたいもの”ではなく、“知らなかったもの”との出会いを、購買につなげられること。
つまり、従来のECでは届かなかった潜在層の感情に直接アクセスし、購買行動を生み出すことができる。
TikTok Shopは、そうした新しい商流と心理導線を実現する、極めて稀有な存在なのです。
Amazonは「欲しい人に届ける」、TikTokは「欲しくなる人を生む」

従来のECサイト、たとえばAmazonや楽天は、ユーザーの“明確なニーズ”を前提とした設計になっています。
検索窓に「白いスニーカー」「iPhoneケーブル」と入力し、比較検討して、購入。
この行動の裏には、すでに「何が欲しいか」が顕在化しているユーザーの存在があります。
つまり、Amazonは「顕在層に強い媒体」。
すでに買う気がある人を逃さず、最短距離で購入させることに長けています。
一方、TikTokの本質はまったく異なります。
TikTokのフィードには、ユーザー自身が「探していなかったもの」が、偶然のように、でも精度高く現れる。
そこに興味が湧き、共感し、気づけば「買ってみようかな」と思っている。
これは、まさに潜在層へのアプローチの成功例です。
TikTokは、“何かを買おうと思っていなかった人”に対して、
「こんな世界があるよ」「あなた、これ好きかもしれないよ」と提示することができる、極めて稀なメディアなのです。
街を歩いていて、ふと恋に落ちるような買い物
人は、目的があるとき以外に、商品を買うことはあまりありません。
ですが、TikTokではそれが日常的に起きています。
たとえば、何気なく流れてきたヘアケア動画。
映像の雰囲気、使っている人のリアルな感想、ビフォーアフターの説得力――
「へえ、ちょっと試してみようかな」と思ったその瞬間に、購入までが数タップで完了している。
これは、ショッピングモールをぶらついていて、
「なんとなく入ったお店で、まさかの理想のコートに出会った」ときのような感覚です。
でもこの“ふと恋に落ちるような出会い”が、スマホの中で毎日、何度も起こりうる。
それこそがTikTok Shopの最大の革新です。
潜在層 × 情報の物語化 = これが新たな売れる導線だ!
TikTok Shopは、単なる“見た目の魅力”だけでは動きません。
そこにあるのは、ストーリーと共感です。
自分と似た悩みを持っていた人が使って効果があった
親しみのあるクリエイターが日常的に使っていた
映像の中に「自分ごと化」できる体験があった
これらの“感情のスイッチ”が、「本当は気づいていなかった欲求」=潜在的なニーズを炙り出し、購買へと導いていきます。
しかもその導線が、動画から数秒で完結する。
つまり、これまで「じっくり比較して、あとで検討して、結局買わなかった」という体験とは真逆の流れ。
「熱が冷めないうちに買える」設計が、潜在層へのアプローチに見事にフィットしているのです。
従来のマーケティングモデルが通用しない時代はすぐそこ
従来のマーケティング理論では、
「注意 → 興味 → 検討 → 比較 → 購入」といった段階が当然とされていました。
でもTikTokでは、そのステップが一つの動画にすべて内包されている。
いわば、“1フィード完結型の購買体験”です。
これは、認知から購入までのコストや時間を劇的に短縮し、
しかも潜在層という“本来なら届きにくいユーザー”にも、自然にリーチできてしまう。
このように、購買のファネルが再設計されているのです。
これを見過ごすことは、もはやできません。
「知らなかったのに、好きになった」消費が常態化する
TikTok Shopのリリースによって、
「検索しないとたどり着けなかったもの」に代わり、
「検索しなくても出会ってしまうもの」が主流になります。
これは、ある意味で“バズる商品”ではなく“自然に好きになる商品”が売れる時代の到来です。
従来のECや広告では、強いニーズやバズ力がないと売れなかった。
でもこれからは、共感性・生活感・使い勝手といった“共通言語”が、潜在層の背中を押す要素になります。
例えば、
小さなメーカーのスキンケアアイテム
地方発のガジェット
無名ブランドのバッグ
これまでは届かなかった商品が、TikTok Shopによって“出会って、響いて、売れる”可能性を手に入れたのです。
最後に:TikTok Shopは「潜在ニーズのショートカット」だと思う
従来の購買体験は、“課題解決”の延長線上にありました。
「欲しいもの」「必要なもの」を効率よく手に入れる。
AmazonやECモールは、その進化の最終形とも言えます。
しかし、TikTok Shopは全く異なる思想です。
“まだ自分でも気づいていない感情”を引き出し、その場で購入させる。
それは、あたかもユーザーの心の奥にある“空白”を、商品との出会いで満たしていくような体験です。
TikTok Shopは、潜在層に対して
「なにかいいもの、ないかな?」という無意識の問いに対し、“答えのような偶然”を提示してくれるメディアです。
これは、情報過多の時代において、もっとも贅沢で、本質的な買い物体験かもしれません。
studio15編集部
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