コラム
2026.7.28
2026年TikTok Shop攻略の鍵:ショート動画がもたらす「ストック型資産」としての価値
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こんにちは。studio15編集部、マーケティングを担当している阿部です。
TikTok Shopにおけるマーケティング施策の中でも瞬間的に視聴者の購買意欲を高めることのできる「LIVEコマース」が注目されていますが、一般的なデジタル広告同様稼働し続けなければ売上が発生しない、また、TikTok Shopの特性をとらえたLIVEコマーサーの数が少なく取り合いが発生しているなど課題が残ります。
一方で、日本ローンチ以降あまり注目を浴びることのなかった「縦型ショート動画」が長期的に自社商品への売上(GMV)をもたらす「ストック型資産」として機能しはじめています。
本記事では、TikTok Shopへの参入・拡大を検討しているEC事業者や、テールの売上向上を模索されるセラーに向け、市場の最新動向、ショート動画のストック資産性、外部ECモールへの波及効果、ショート動画施策の中心ともいえるクリエイターとの連携における注意点、および売上最大化の施策についてデータをもとに解説します。
1. TikTokのユーザー層と購買行動データ
2026年6月10日にTikTok for Businessから発表された情報によると、TikTokはZ世代だけでなく幅広い年代に利用され、実際の購買行動につながるプラットフォームとなっています。
※引用元:TikTok fo Business「TikTok、日本における経済効果を発表。」
ユーザー層
月間アクティブユーザー数は4,950万人、TikTokでコンテンツを投稿、配信しているクリエイター数は235万人となっています。
購買行動
消費者の約30%が「TikTokの動画を見て、予定外の購買をしたことがある」と回答しています。
2025年のTikTok経由の推定消費額は合計3,468億円(前年比+46%) となっています。購買や予約に直接繋げることが可能なTikTok ShopやTikTok GOのローンチが大きく成長に貢献していると想定されます。
市場を牽引するカテゴリ
現在TikTok Shopで売上を牽引しているのは「アパレル」「美容家電/コスメ」「食品/飲料」「家電/ガジェット」であり、いわゆる「TikTok売れ」を引き起こした地球グミのようなインパクトのある商品よりも、利便性や価格メリットのある商品が市場の成長に寄与しています。
2. データが示すショート動画のストック資産性
瞬間的なバズや、トレンドのサイクルが早いといわれるTikTokですが、TikTok Shopのショート動画コンテンツにおいては「投稿後も長期間にわたって再生数が伸び、売上を生み出すことができる」ことが、日本ローンチよりTikTok Shop支援を行ってきたstudio15の実績データから見えてきています。
投稿した数ヶ月後でもGMVが継続的に発生
2026年上半期のデータによると、ショート動画から発生したGMVのうち、約70%が過去(投稿から2ヶ月以上経過)に投稿された動画から生み出されています。
参考事例

フォロワー数8,900のTikTok Shop特化クリエイターが「カー用品(ガジェット)」を紹介したショート動画を2025年11月に投稿。
2026年1月から6月の合計で約270万円まで積み上がっており、投稿から7ヶ月後となる2026年6月単体でみても、月間67万円のGMVが発生しています。
※上記データは一商品、一動画の実績です。
傾向
①同一商品がどこかで売れると全体が底上げされる
同一セラーの別商品の動画がバズった際、それに呼応して過去の動画のトラフィックが増加し、売上が再燃するケースが確認されています。クーポンコードを掲載することで、検索や再訪問経由の購入を継続的に回収する「常設された売り場」として機能するといえます。
②100本を超える本数から3割が継続的に売れ続ける
同じ商品を紹介している動画数が概ね100本以上、起用クリエイター数が100以上の場合に、動画から中長期的にGMVが発生しています。
また、初月にGMVが発生した動画が100本あった場合、そのうち約30%は数ヶ月後も継続的に売れ続ける傾向があります。

3. 自社ECやAmazonへのオムニチャネル効果
クリエイターによる商品リンク付き動画は、TikTokアプリ外のECモールにも影響を与えます。
外部ECへの波及事例
株式会社バッカス / ピットソール
TikTok Shop出店開始から1ヶ月でLIVE配信を中心にカテゴリ1位を獲得。その後、クリエイター投稿や話題になった動画をきっかけに他社ECモールへのアクセス・売上が5〜10%増加した。
引用元:TikTok for Business「開始1か月でカテゴリー1位を達成!バッカス「Pitsole」が実現したGMV Max×LIVE配信によるTikTok Shop売上成長と波及効果」
4. クリエイター連携における課題と解決策
ストック資産を形成するためには、大量のショート動画コンテンツが必要となります。その要となるクリエイターとのコミュニケーションには注意が必要です。
400名以上のTikTok Shop特化型クリエイターと提携しているstudio15によるヒアリングから、下記のようなことがみえてきました。
雑なDM、定型メッセージはNG
クリエイターへは、毎日といってよいほど様々なセラーからの営業DMが届いており、全てを見ることは不可能です。
そのような中で、ようやく見てもらったとして、クリエイターの特製と無関係な商材を営業してしまうと今後一切連絡が取れなくなる可能性があり、またクリエイター同士でコミュニティが築かれている場合、多くのクリエイターから相手にしてもらえなくなる可能性があるため、連絡するクリエイターは慎重に、かつ丁寧に選定する必要があります。
コンテンツ企画の強要
TikTok Shopで売れるコンテンツは、ブランドイメージを訴求するのではなく、クリエイター自身が感じる商品の利用メリットを強調し、視聴者に自分ごと化し、商品を利用しているイメージを膨らませるものが大半です。
このようなコンテンツは一概にセラーが喜ぶものとはいえない可能性があるものの「UGC」としてクリエイターが考えた企画を許容していくことが重要です。
※UGC(User Generated Content)とは、口コミやレビューなど第三者が生成したコンテンツを指します。
商品設計、割引、広告付与などの柔軟な対応
TikTok Shopクリエイターは自身のコンテンツを経由して商品が売れることではじめて報酬を得ることができます。
つまり、Amazonなどの他ECで購入されるとメリットが発生しない(セラーにとってはメリット)ため、極力TikTok Shopに限定した商品設計や価格設計を準備しましょう。
特に割引は視聴者にわかりやすいメリットとしてクリエイターが発信しやすいため、限定的なものとして対応していくことが、クリエイターを積極的に動かし、動画を量産していくために必要となります。
こうしたクリエイターとのコミュニケーションや運用リソースの課題を解決するため、TikTok Shopの公式認定資格(TSP、TAP、CAPなど)を持つ運用代行会社を活用する企業も増加しています。運用代行の仕組みや選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
TikTok Shopの運用代行について詳しく知りたい方はこちら
TikTok Shopの運用代行のサービス内容と依頼先の選び方をTikTok認定代理店が解説
5. ストック資産を構築するための施策
TikTok Shopで売上を最大化するための具体的な施策は以下の通りです。
LIVEコマースとの併用
LIVEコマースの中で、限定的な割引クーポンなど「今買う理由」を創出していくことで、「売れてる商品(HERO SKU)」を生み出します。
並行してショート動画を多数投稿していくことでLIVE配信中に購入しなかったユーザーに対して、「おすすめ」フィードから接点を継続的に作り、興味関心、購買意欲を高めていきます。
数ヶ月後に、TikTok Shop内に限らず他ECも含め、少しずつ売上に貢献していく大勢が構築されます。
クリエイターとの連携強化
クリエイターが能動的にコンテンツを発信してもらうべく、前項で紹介したような慎重な選定、また綿密かつ自由度の高いコミュニケーションを行います。
最初はクリエイターへアプローチし、クリエイターごとに個別対応していく必要があるため、多くのリソースを割く必要があるものの、HERO SKUが生まれてくる時期にはクリエイター側から「紹介したい」、という依頼が届くようになります。
7. エージェンシーの価値
月に数10名〜100名規模のクリエイターへのアプローチ、また施策を円滑に行うためのコミュニケーションをとり続けるには、人的なリソースや一定の経験値が必要であり、失敗してしまう(クリエイターに相手にされない、動画投稿されてもGMVが発生しない)、諦めてしまうセラーが少なくありません。
特にTikTok Shopの立ち上げ期においては、豊富なリソースと知見をもつエージェンシーと協力しノウハウを取得していくことが、TIkTok Shopの成長には不可欠といえます。
2019年よりTikTokに特化した企業、クリエイター双方のマーケティング支援を行うstudio15は、ikTok Shopの正式なエージェンシーの資格(TSP、TAP、CAP)を取得しており、また、4,500名以上のクリエイターネットワークを構築し、月間1,000本のTikTok Shopコンテンツを発信しています。
TikTok Shopを中長期的な戦略として据えられておられるセラー、クリエイターを動かし、ストック型資産を作りたいセラーはstudio15にお気軽にご相談ください。
8. まとめ
TikTok Shopにおける縦型ショート動画は、中長期的な成長を支え、EC全体に好影響を与える「ストック型資産」となります。 EC事業を成長させたいマーケターさまは、瞬間的な売上を生み出すLIVE配信と並行して、継続的にショート動画を生み出せる体制づくりを構築しましょう。
FAQ
Q:TikTok Shopでのショート動画から売上は発生しますか?
A:売上は発生します。しかし中長期的な視点が求められます。studio15の支援実績における2026年上半期のデータによると、動画由来のGMVの平均約74%は、過去に投稿された動画から生み出されています。初月で売れた動画の約30%は継続的に売れ続ける傾向があります。
Q:クリエイターに動画制作を依頼する際の注意点は何ですか?
A:フォロワー数だけで判断せず、アカウントの特性と商品の相性を確認することが重要です。長文DMは避け、成果報酬料率を高めに設定し、動画の企画はクリエイターに任せることが効果的です。
Q:TikTok Shopの動画は他のECモールにも影響を与えますか?
A:はい。大量のクリエイター動画が投稿されたことで、外部ECモールのアクセスや売上が約10%上昇した事例があります。
■執筆・監修
阿部 / studio15株式会社 マーケティング担当
TikTokに特化したマーケティング支援企業studio15のマーケティングを担当。TikTok Media Buying Professional Certificationを保有。TikTok公式アカウント運用、ショートドラマ活用、TikTok Shop支援、TikTok GO支援などを通じ、累計470社以上の支援実績から得た最先端の一次情報や、国内外の最新SNSトレンドを日本のビジネス向けに分かりやすく紹介。
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studio15編集部
studio15はTikTokの認定代理店としてアカウント運用、ショートドラマやクリエイタータイアップ、TikTok Shop支援などで、これまで470社以上のSNSマーケティングを支援してきました。その実績をもとに企業向けに最新のトレンドやTikTokノウハウをお伝えする情報を発信しています。
