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2021.9.29
最新!中国のTikTok「抖音(ドウイン)」とバイトダンスの最新事情
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TikTokはリリースされてからまだ数年のプラットフォームですけど、どんな会社が運営しているんですか?
運営会社は中国の「ByteDance(バイトダンス)」というところですが、日本法人もあって今も成長中の企業なんです。
2021年の月間アクティブユーザー数が12億人にまで到達すると予想されているTikTok。
実は中国本土版の「抖音短視頻(ドウインドゥアンシーピン)」と、日本を含めた国で利用されている国際版「TikTok(ティックトック)」の2種類があるんです。
TikTokの歴史
日本では2017年にリリースされたTikTokですが、中国本土では2016年に「抖音短視頻(ドウインドゥアンシーピン)」という名称でリリースされました。
- 設立とリリース年表
- 2016年1月:米国法人 ByteDance inc.を設立
- 2016年5月:中国法人 ByteDance Chinaを設立
- 2016年9月:中国版TikTokである「抖音短視頻(ドウインドゥアンシーピン)」の提供を開始
- 2016年9月:中国版TikTokである「抖音短視頻(ドウインドゥアンシーピン)」の提供を開始
- 2017年5月:国際版として「TikTok(ティックトック)」の提供を開始
- 2017年9月:ByteDanceがアメリカの人気ソーシャルメディアプラットフォームを所有するmusical.lyを買収と合併する
- 2018年8月:TikTokがmusical.lyと正式に合併。大規模なビデオコミュニティとなり、musical.lyとTikTokでそれぞれ人気の高かった機能に加えて新機能も追加。同年、TikTokは日本の音楽版権管理団体JASRACと提携・協力関係を締結。
- 2018年10月:アプリが世界中の8億人以上のユーザーにダウンロードされる。150か国以上、75の言語で利用が可能になる。
- 2021年5月:創業者の張一鳴氏が最高経営責任者(CEO)を退任し、後任に共同創業者で人事部門の責任者を務める梁汝波氏の就任が発表される。
- 2021年7月:撮影時間の上限がこれまでの60秒から3分に延長される。
ByteDance社はTikTokと抖音短視頻(以下「抖音(ドウイン)」と称する) の開発運営だけではなく、関連するサービスの買収・統合や新しいサービスの開発にチャレンジするなど精力的に行動を起こしています。
とくに注目を集めたニュースが、2020年5月にDisneyの幹部であるケビン・メイヤー氏のTikTokのCEOおよびByteDanceの最高執行責任者(COO)への就任です。
ケビン・メイヤー氏はDisneyで20年以上を過ごし、戦略部門のトップのひとりとして数々の買収やDisney+(Disneyのストリーミングサービス)のローンチを成功に導いたビジネス界の大物といえる人物で、同氏の決断がTikTokに対する信頼性へとつながったことは間違いありません。
ByteDanceは2021年5月の時点で世界のユニコーン企業のトップにまで成長し、世界中に15ヶ所の研究開発拠点を展開し、約10万人の社員を抱えています。
TikTokの中国本土版「抖音(ドウイン)」
TikTokは中国本土版の「抖音(ドウイン)」と国際版の「TikTok(ティックトック)」の2種類があり、日本でリリースされているのは国際版のTikTokです。
基本的には日本国内で中国本土版の抖音(ドウイン)を閲覧することはできません。(アプリをダウンロードする方法はありますが、本コラムでは省略いたします。)また、アプリで使用できる機能にも差があります。
中国本土版の抖音(ドウイン)でできること
EC機能
日本で利用されているTikTokでも搭載予定のEC機能ですが、 中国本土版の抖音(ドウイン)ではすでに導入・運用されています。
抖音(ドウイン)はアリババグループの「淘宝網(TaoBao)」や「天猫(Tmall)」のほか複数のECサイトと連携していて、ライブ配信や投稿で商品を紹介して視聴者をECサイトへ直接誘導することが可能。
投稿したユーザーに対して売上の一部が還元されるアフィリエイト機能があるため、企業案件を請け負うインフルエンサーとして投稿する人もいます。
ぜひこちらの記事もご覧ください。
合わせて読みたい
TikTokで実装されるEC機能とは?
位置情報機能
動画を投稿する際に位置情報を指定して、観光地や飲食店のサイトへユーザーを誘導することができるようになっています。
チェックしておいて損は無い!?ByteDanceと抖音の動向
ByteDance社はビジネスを展開させていくために様々な新機能や事業にチャレンジを続けています。今後日本のビジネスにとっても重要になってくる可能性があるかもしれません。
物流機能の構築
抖音(ドウイン)の傘下であるEC事業「抖音電商(Douyin Dianshang)」では、国内の各地に物流倉庫の設置を進めていることが分かっています。
中国の代表的な都市に品質管理と物流機能を一体化させた運営センターをつくり、ジュエリーやアルコール、健康関連など20以上のカテゴリーの商品発送業務を一括し、さらに越境EC専用としても東南アジアや英国からの商品を保管する倉庫も設けているそうです。
物流機能が確立されることで、事業者側の手間を請け負ったり、よりスピーディーな配送が実現するようになりますね。
フードデリバリー事業
抖音(ドウイン)がフードデリバリー事業「心動外売(Xindong Waimai)」をテスト運用していることも明らかになりました。
料理の配達自体は飲食店が手配をして、集客面で協力するとみられています。
抖音(ドウイン) では動画を通じてお店や料理の特長を伝えると同時に、ユーザーからの評価を反映することもできるので、フードデリバリーの利用者や事業者側にプラットフォームを提供することで、取引を仲介する役割としてフードデリバリー市場に参入するようです。
これまで静止画で確認していたメニューが動画で観れるようになるのは大きな変化ではないでしょうか。サイズなどのイメージの相違を減らしたり、利用シーンの提案など動画だからこそ伝えられることがあると思います。
マッチング(出会い)機能
SNS機能を強化して「リアル」との関りを取り入れることに注目している抖音(ドウイン)は、「同城(同じ都市)」機能も加えました。これは動画情報のフローで、ユーザーの所在地に最も近い動画やライブ配信コンテンツを表示できる機能になっています。
また、個人チャットルームには「ビデオ通話」機能も追加されていて、動画を通して知り合った初対面の人たちでもビデオ通話を利用することが可能に。
季節のプロモーションで行った「お見合い」イベントでは、独身ユーザーが自己紹介動画をアップして相手を探すというもので多くのユーザーが参加し、動画再生回数は延べ6900万回を超えているそうです。
一般的なマッチングアプリでは写真とメッセージのやりとりがメインですが、動画では声や全体的な雰囲気が伝わるので、理想の相手に巡り会えるのではないでしょうか。
旅行事業
抖音(ドウイン)はOTA事業にも進出しています。OTAとは「Online Travel Agent」の略で、インターネット上だけで取引を行う旅行会社のことを指します。
2020年12月に抖音(ドウイン)は旅行会社を設立し、OTAブランド「山竹旅行」を抖音(ドウイン)の中のミニアプリとして試験的にスタートさせました。
アプリの中に「チケット予約」「ホテル予約」機能を追加して、旅行のランキングやレポートなどコンテンツの作成も始めています。
気軽な旅行が難しい時期ですが、ランキングやレポートを見ているだけ旅行気分を味わえるのではないでしょうか。
ゲーム事業
抖音(ドウイン)の運営会社であるByteDanceでは、独自のクラウドゲーム事業の進展が明らかになっています。
クラウドゲームプラットフォーム「嗷哩ゲーム(Aoli Game)」というアプリでは申込みをしたユーザー全員に内部テストに参加する権限を開放しましたが、まだまだ課題は多くあるようです。
中国のクラウドゲーム市場は拡大していて多くの企業が新規参入しているため、抖音(ドウイン)と交えながら上手くプロモーションをしていく必要がありそうです。
TikTokがリリースされるまでのショートビデオアプリの歴史
UGC型の動画コンテンツが認識され始めたキッカケは「YouTube」
2005年に設立されたYouTubeは、2006年にGoogleに買収されて以来成長を続け、世界中の人々に視聴される動画サービスとして浸透していきました。
ショートムービーアプリの元祖「Vine」
Vineの人気によって、ユーザーはショートムービーでどうやって表現するかを考えるようになり、表現する力やバリエーションが磨かれていきました。
24時間で投稿が消えてしまうストーリーズ機能を実装した「Snapchat」「Instagram」
静止画の投稿ではフィルターを使って世界観を演出するのが主流でしたが、ストーリーズ機能によってより気軽な投稿にチャレンジする新しい文化が生まれました。
とにかく盛る「SNOW」
SNOWアプリを筆頭に、自分の顔を可愛く加工して撮影できる機能が流行しました。写真や動画のバリエーションも増えていき、自撮りによるコンテンツをシェアするという流れが一般化していきました。
今やTikTokは世界中で利用されている有名なアプリ
中国発祥のTikTokですが、投稿された動画やコメント欄を見てみると、世界中の様々な人や言語がサービス内に存在していることが分かります。
「日本人には日本人の動画」ということではなく、そのユーザーが好みそうな動画を世界中からピックアップしてくれるシステムがあるようです。
アメリカではトランプ政権時代にTikTokの新規ダウンロードを禁止するよう命じられたことがありましたが、現在のバイデン大統領がそれを撤回が発表されました。一部TikTokの利用を禁止されている国や地域はありますが、世界中で利用されているアプリです。
東京2020オリンピック競技大会では、オリンピック公式アカウントだけではなく、たくさんのアスリートたちが選手村や競技場の動画を投稿していました。
海外選手のことをあまり知らなかったユーザーたちが投稿を見て、選手のファンになって応援したり、コミュニケーションをとることが難しい環境の中で交流を深めました。
TikTokはコミュニケーションツールであり、ユーザーにとっては有益な情報源であり、娯楽の時間です。
企業プロモーションで活用する場合にも、そのことを意識しながら運用していくことで、ユーザーに支持されるアカウントに成長していくのではないでしょうか。
今は日本国内だけで展開している商品をPRする場合でも、海外の人の反応を見るチャンスになるかもしれません。
運用面でまだまだ不安だという方は、ぜひstudio15にご相談ください。
ユーザーに支持されるコンテンツなどご提案させていただきます。